データ
モデル名:ブリュートナー モデル10(166cm)
製造年:1944~45年頃
製造国:ドイツ ライプツィヒ製
張弦方法:通常張弦(アリコート、デュープレックススケール無し)
フロント側:低音~次高音 アグラフ、高音部 カポダストロバー
ピン仕様:オープンフレーム(金属プレートのカバー有)
アクション仕様:エルツ式シングルスプリング
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)
外装:黒つや消し(オリジナル外装)
この動画シリーズを録るきっかけを作った程の衝撃を与えた一台。
ブリュートナーの代名詞でもあるアリコートシステムを備えないがこのモデルだけの専用設計も見られるコンパクトグランド。
国内では無名なブリュートナーだがもっと評価されても良いだろうと思います。
弾いた瞬間にブリュートナー特有の暖かく深い音に包まれます。正直に告白するとこの楽器に出会うまでブリュートナーはあまり好きなメーカーではありませんでした、今思えば野暮ったく重苦しい響きの楽器しか出会えてなかったせいもあるのですが、そんなの一瞬で吹き飛ぶほどの衝撃でした!!
まず第一印象は音が柔和なのに芯がものすごく太い!!そして演奏者の弾き方次第で無限の音色が出せます、とにかく優しく響く!!この一切棘の無い音は最近のピアノには絶対見られない特徴です。弾けば弾くほど色々な表情を見せてくれました。
そしてアクションも軽くて小気味いいです、だいたい小型ピアノは鍵盤長が取れない関係でアクションが重くなりがちなのですがこのピアノは柔和な音の特徴と相まって非常に軽く感じます。
総評としては『素晴らしい!』の一言、実際動画を見ていただければその音の柔和さや弾くことの喜びみたいなのを感じ取ってもらえると思います。本物のブリュートナーを味わせてくれる一台でした。
1930年代以降のブリュートナーのロゴマーク、これ1930年以前と最新モデルはロゴが装飾文字で書かれている。
非常にコンパクトながらそのポテンシャルは十二分に備えている。
モデル10にはブリュートナーの代名詞アリコートは備えていない。無駄な響きを作らないような設計がなされている。細く大きく穴の開いた鉄骨の形状はブリュートナー特有のもの。昭和期のカワイやイースタイン、ベルトーン等数多くの国産メーカーが真似している。
小さいながらブリュートナー特有のオープンタイプのピン板が奢られている、もっともピン板自体は金属プレートで覆われているので見えない。張弦方法はモデル10は通常方式を用いている、大型機種は総一本張りなのでここの設計は専用設計と思われる。
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