データ
モデル名:レーニッシュ モデル名 model.No.3b(180㎝)
製造年:推定1920年代頃
製造国:ドイツ ドレスデン製
張弦方法:通常張弦 デュープレックススケール
フロント側:低音~中音域 アグラフ 高音域 カポダストロバー
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:エルツ式ダブルスプリングアクション
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)
外装:黒艶(修復外装)
今回はドイツのレーニッシュを収録してきました。
長期間の修復が仕上がり完成したばかりの楽器を楽しませていただきました。レーニッシュはラフマニノフがロシア時代に愛用していたメーカーとして有名です。戦前のドイツピアノは群雄割拠の時代、レーニッシュはそんな中でも注目を集めるメーカーでした。
この楽器は丁寧に修復されており、古いピアノの良さを生かすためなるべくオリジナル部品を使うようにされておりハンマーはドイツで巻き直す徹底ぶりです。そんな訳でこの楽器はヴィンテージの音の良さを持ちつつメカ部分がリフレッシュされた個体です。
リフレッシュされた往年のレーニッシュ、古き良きドイツピアノの音を奏でています。これといった特徴が無いのですが絶妙に落ち着いた鳴りをします。特徴がないと言うとあまり良いイメージではないのですが実際はそんなことは無く、音の太さ、煌き、残響等すべてのバランスが良く調和が取れており尖った部分が無くて穏やかな印象です。
非常にオールマイティーな楽器で様々な作曲家の作品が楽しめました。
アクションは当時の最先端レンツ式のダブルスプリングアクションが搭載されており今のピアノと遜色ない弾き心地、弾き心地だけではアンティークピアノとは分からないほどです。
日本国内だとかなり稀少な戦前のレーニッシュですが個性は強くはないですが堅実なドイツピアノとしていぶし銀のような音を存分に味わわせて頂きました。
実はこのピアノは楽器選定依頼から探し出会ったピアノでした、こだわりのある依頼主様に無事気に入っていただきご成約となりました。こういった本物の楽器は本当にピアノが好きな方に巡り合わせられたら良いなと思います。
足さず引かずの普通なデザインのピアノ。撮り忘れましたが譜面台もさり気なく透かし彫りが入った控え目なデザイン。いかにもドイツピアノらしい雰囲気。
ピン周りもオーソドックスなデザイン。ヒッチピン側はセクションごとの一体型デュープレックススケールが備えられ音に煌きを足している。そしてこの写真でも響板の素晴らしい柾目がお分かりいただけると思います。
お洒落なデザインのフレーム。昔のピアノはこういったところでも目を楽しませてくれる。
現代的なエルツ式ダブルスプリングアクション。ハンマーはドイツで巻き直しているので木の部分は全部当時のパーツになる。
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