【《ピアノを聴く動画》使用ピアノ紹介】第23回スタインベルク・ベルリン アップライトピアノ
- 西野 智也
- 2019年12月15日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年10月13日
データ
モデル名:スタインベルク・ベルリン モデル名 不明
製造年:1920年代製
製造国:ドイツ ベルリン製
張弦方法:通常張弦
フロント側:全音域 プレッシャーバー
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:イギリス式アクション
ペダル:2本
鍵盤:85鍵(白鍵:張り替えアクリル 黒鍵:黒檀)
外装:黒艶(修復外装)
前回に引き続きスタインベルク・ベルリンのアップライトを佐久穂町で収録してきました。
なんとこの場所グランドとアップライトが両方揃っているのだ!
こちらの楽器はもともとこの場所にあったものではなく佐久穂町に縁のある方が寄贈された楽器の様である。
象嵌のワンポイントとモールが前面に奢られており如何にもアンティークピアノな佇まいのピアノがホール横のロビーにポツンと置いてある、ピアノ椅子が無かったのでそこら辺のパイプ椅子を拝借して早速弾いてみる。スタインベルク・ベルリンのグランドピアノを弾いた直後だったのでその感覚で弾いてみたら驚くほど性格の違うピアノだった。珠の様な音が出るのはグランドと一緒なのだがその音色の系統が違うのである、木目調のグランドに対してこのアップライトはクリスタルのような軽く明るい音が鳴ります。明るく軽い音なのですが決して金属的な音ではなくあくまでも響板が鳴っていることを実感させてくれる音です。
硬さと柔らかさの調和が絶妙にブレンドされた音で、恐らく創業者が目指した柔らかい音色を鳴らしつつ音量も確保するという両立の難しい要素を微妙なバランスで保っているようです。
アクションはちょっと弾かれていなかったせいかばらつきはあったものの許容範囲。少し重めのタッチと深めのストロークに感じましたがコントロール性は悪くありませんでした。
日本で唯一のスタインベルク・ベルリンのグランドとアップが一度に弾けてしまう今回の佐久穂町の茂来館、素晴らしい二台を存分に楽しませていただきました。

美しい象嵌の入ったフロントパネル、モールも凝った作りになっている。

全音域プレッシャーバーという珍しい仕様。しっかり修復もされており現役で稼働している。

スタインベルク・ベルリンのポップで可愛いロゴマーク。低音側にもプレッシャーバーが付いているのが確認できる。

なかなか見ることのできないアップライトの裏側。木目の素晴らしい支柱は3本、割と大き目な除響板も備えている。
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