データ
モデル名:ベーゼンドルファー モデル名 200(200cm)
製造年:1941年製
製造国:オーストリア ウィーン製
張弦方法:総一本張り
フロント側:低音~次高音アグラフ 高音部カポダストロバー
ピン仕様:オープンフレーム
アクション仕様:シュワンダー式シングルスプリングアクション
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:象牙 黒鍵:黒檀)
外装:黒艶(オリジナル外装)
サローネ・フォンタナ: http://salonefontana.jp/index.html
今回は世界三大ピアノとして今現在も世界最高峰のメーカーとして有名なベーゼンドルファーを収録してきました。メーカーの知名度の割に古い個体に出会えることが少ない楽器でもあります。今回の収録楽器は1941年製という結構珍しい年代の個体、ベーゼンドルファーの生産台数がもともと少ないのに加え更に世界情勢の悪化に伴い殆ど楽器の造られていない時期のものです。このピアノ成城学園前駅にあるサローネフォンタナに常設されている楽器で個人的には都内で使えるコンサート会場としてはぶっちぎりで好きな場所です。
ベーゼンドルファーと2000年頃までのベヒシュタインは非常に古いピアノの設計を色濃く残している楽器で根本的に現代のヤマハやスタインウェイとは音作りの思想が違います。そこを理解せずに弾くとどうにも弾き難い印象を受ける楽器ではないかと思います、特にベーゼンドルファーはその傾向が顕著です。
このベーゼンドルファーは往年のベーゼンドルファーらしい音は明るく軽いですが独特の温かみがあります、フォルテピアノの系譜のような木の音というか角の無い丸みと艶があり暖色系の響きがあります。会場との相性が抜群に良くまるでヨーロッパの教会にいるような錯覚を起こさせるほどです。
アクションも軽さと深さが絶妙で羽のような感覚で弾き易く、丸みのある音色と合わさり非常に夢心地な音を作れます。余韻の長い楽器特性と会場の響きが合わさりペダルもあまり使わずに演奏できます。
最近の曖昧模糊なベーゼンドルファーの音が苦手な方にこそ聴いて欲しいピアノです、これこそが本来のベーゼンドルファーの音だといえます。
質実剛健とした佇まいの楽器。フレームの塗料なんかも現代のベーゼンドルファーとは異なっている。ベーゼンドルファーの目玉の一つ低音側のエクストラキーはこのモデルには搭載されていない。
ベーゼンドルファーの特徴の一つにねじの付いた調整式カポダストロバーがある。弦は総一本張りでオープンフレームと旧式なスタイルが特徴。
低音側の駒には穴が開けられている。ケースの厚みも非常に薄いのが分かる。
派手さはないがどこか気品のある佇まい。ダルマ脚を備えている。
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