データ
モデル名:ガヴォー モデル名model.C type Éventail(133cm)
製造年:1917年製
製造国:フランス パリ製
張弦方法:通常張弦
フロント側:低音 ベアリング、中音~高音部 プレッシャーバー
ピン仕様:オープンフレーム
アクション仕様:イギリス式アクション(ガヴォー製)
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵: 象牙 黒鍵:黒檀 )
外装:ローズウッド修復外装、燭台、取っ手はオリジナル
撮影協力:ピアノプラザ群馬 https://www.imported-piano.jp/
今回は高崎にあるピアノプラザ群馬さんでフランスピアノが一堂に集うということなので滅多に出会うことのできないフランス製ピアノを収録してきました。この日の目当ては次回ご紹介するプレイエルのアップライトピアノと今回ご紹介するガヴォーのアップライトピアノの2台です。
こちらのピアノは1917年製のガヴォーのC型というモデルでガヴォーで標準サイズのアップライトピアノになります。しかも外装がÉventail(エヴァンタイユ)というフランス語で扇を意味する放射状に寄木が施されたガヴォーを代表する美しい一台です。 フランスピアノは耳だけでなく目でも楽しませてくれますがこのガヴォーの一台はまさにそんなフランスピアノらしさを地で行く一台と言えます。
ガヴォーは以前から何台か素晴らしい楽器に触れる機会があったのですが収録チャンスに恵まれずようやく念願の収録にありつくことが出来ました。
フランス3大ピアノ【エラール】【プレイエル】【ガヴォー】の中で新参な1847年創業のガヴォーですが音の味付けはエラールとプレイエルの中間にあり最もモダン的な音の楽器になっています。エラールの艶やかさ、プレイエルの純粋さを絶妙に混ぜ合わせています。
今回の楽器も独特の音色で太い音なのに軽さがあり、純真な響きの中に色っぽさを感じさせる一台です。フランスピアノ全般に言えることなのですが音が漂うように鳴ります。それはまるで上質な香水やたくさんの花に囲まれるうな錯覚を音によって引き起こしてくれます。この特性はドイツピアノには絶対ないフランスピアノだけの特徴と言えるでしょう。
そしてフランスピアノのもう一つの特徴と言えるのがその軽妙なアクションにあります。独自のアクションと現代のものより少し小ぶりなハンマーの相乗効果で羽のようにアクションが軽く弾き易いです。この特性はフランス音楽、ショパンやモーツァルトなどを弾く時に思い通りの音を紡いでくれます。
ガヴォーの素晴らしいアップライトピアノ十分に味あわせて頂きました。
エヴァンタイユモデルという扇状に寄木を奢られた一台。外装の美しさへのこだわりが狂気じみているフランスピアノの中でも一際目を惹く存在。これが限定モデルではなくカタログに載っている通常モデルなのだから恐ろしい。
寄木はもちろん鍵盤蓋にも施されている。収納式の譜面台しまうと一層美しさが際立つ。フランスピアノは見た目に関して一切の妥協は無い。
もちろん鉄骨にも美しい細工が施されている。内側にもローズウッドの化粧板が奢られている。鉄骨はオープンフレームを採用しておりピン板が剥き出しになっている。他はオーソドックスな設計。
このモデルにはオリジナルの取っ手も残っていた。こういう附属パーツは欠品しているものも少なくはない。それにしても美しい。
こちらもオリジナルの燭台。取っ手同様オリジナルの燭台が残っているのも大変貴重。そして言わずもがな美しい装飾が施されている。
背面はオーソドックスな垂直支柱。
Hi nice reading your bllog