データ
モデル名:ディアパソン モデル名 125型(125㎝)
製造年:推定1948年製
製造国:日本 浜松製
張弦方法:通常張弦
フロント側:低音部 ベアリング、中音部~高音部 プレッシャーバー
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:イギリス式アクション(ディアパソン製)
ペダル:2本
鍵盤:88鍵(白鍵:アクリル 黒鍵:黒檀)
外装:修復木目
今回は兵庫県まで第53回でご紹介する『大橋ピアノ』を収録しに行った際にオーナーさんが所有するこちらのピアノも是非弾いてみてくださいと言われ、それならばと弾いてみたら大変立派な楽器でしたので一緒に収録させていただいたものになります。
現オーナーが長年使ってきた楽器を近年オーバーホールし今現在も大事にされている個体です。現在ディアパソンはカワイ楽器に吸収されカワイが生産していますが、この楽器はカワイ傘下になる前の貴重な大橋幡岩が指揮を執っていた時代のものになります。
以前紹介したディアパソンはモデル132でしたが今回のモデルは当時のディアパソンのエントリーモデルに当たるモデル125になります。音に関する基本的な設計に差は見られません。簡略化された外装以外では中を見るまでモデル132とモデル125の違いはぱっと見ではわかりませんでした。実を言うと音の方でもそんなに差が感じられません弦長もほとんど変わらないと思われ楽器のバランスもアクションの弾き心地も同じような印象を受けました。共通しているのは箱の鳴りの良さと良好な音の伸び、金属的な成分が一切ない音作りを確認することが出来ます。アクションも重すぎずしっかりと弾きごたえのある感触です。オーバーホールされてそんなに時間が経っていないようなので弦とハンマーが馴染めば更に音が熟成されていくと思います。
大橋幡岩が理想とした貴重な楽器たっぷり堪能させていただきました。
非常に美しい木目の外装。オリジナルは黒塗りだったようだが塗装の下からこの綺麗な木目が出てきたのでそれを活かした外装に替えたようです。
132型とのフレームのデザインの違いはほとんど見つけることが出来ない。ディアパソン製のアクションも良好な弾き心地。
大橋時代の証である右側板縁の製造番号。大橋ピアノもここに製造番号が刻印されている。
ペダル回りもいたってシンプルな設計。響板には除響板が入っている。地味な箇所だがディアパソンはペダル形状が他メーカーより平らで長く扱いやすい形になっている。
浜松楽器製のアクションを示すプレート。これも大橋時代のディアパソンである一つの証である。
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