モデル名:エラール モデル名 No.4(127㎝)
製造年:1929年製
製造国:フランス パリ製
張弦方法:総一本張り
フロント側:総アグラフ
ピン仕様:総鉄骨
アクション仕様:イギリス式アクション(エラール社製)
ペダル:2本
鍵盤:85鍵(白鍵:アクリル 黒鍵:黒檀 )
外装:ウォールナット(修復外装)
動画URL:https://youtu.be/2fzxgi5QUGE (2023年12月6日公開予定) 撮影協力:東京ピアノマーケット様
今回はエラールのアップライトピアノを収録してきました。
今回も毎度おなじみ東京ピアノマーケット様にお邪魔してきました。
自分の大好きなメーカーの一つで登場回数も多いエラールですがアップライトピアノは意外にも初登場になります。
今回の楽器は1929年製と最晩年の一台になります。エラール社は1960年にはガヴォーと合併してしまい終焉を迎えます。20世紀の楽器にもかかわらず折り畳み譜面台にオシャレな外装、85鍵に総アグラフと19世紀然としたスタイルが何ともエラールらしいチャーミングな一台になります。
エラールといえば香水を振りまいたような芳醇な音色が特色ですがその特色はアップライトピアノにもしっかり感じ取れます。どこか古臭い音色と軽快な弾き心地まさにエラールの真骨頂。
低音は同年代のプレイエルやガヴォーのアップライトと比べて軽めの音がします。決して鳴りが悪いのではなく近代的な重厚な低音ではなくやはり昔ながらのピアノの雰囲気がかなり強いです。ただ今回の楽器はオーバーホール直後なので慣らしが終わればもっと低音側は鳴ってきそうな印象がありました。
高音側は本当に絶品でえも言われぬ香りのように漂う音じゃない音がします。この音の雰囲気は残念ながら録音では拾いきれなくて生で聴かないとほとんど分からないのが残念でなりません。このフランスピアノ特有の漂うような鳴りはエラールが一番強く感じることができます。
アクションはエラールらしいリニアなものがアップライトにも搭載されています。やはりどのエラールでも感じるのですがアクションは弾きやすいのですが癖は強いので弾きこなすには慣れが必要です。
東京ピアノマーケット様今回も素晴らしいピアノを楽しませて頂きました。
パッと見た感じ外釣りの譜面台から19世紀然とした雰囲気を感じる。
アップライトとしては割と標準的な設計。ケースとの固定用ボルトが異様に多いのが印象的ではある。
交差弦で総一本張りとこの時代のアップライトとしては割とオーソドックスなもの。フレームがかなり頑強な造りをしている。
総一本張りにより音の混ざり方がクリアになっている。
響板に張られたエラールのデカール。筆記体の雰囲気もフランスピアノは瀟洒である。
アクションレールに刻印されたメカニック エラール。グランドもそうだがエラール製アクションは繊細なコントロールを可能にしてくれるレスポンスの速い逸品。
ハンマーは新品に交換されている。慣らしも終わっていない状態なのでこれから更に音が進化すると思われる。
閉じても美しいのがフランスピアノの特徴。モールや脚などのさりげない仕上げが上品で美しい。
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